『とある高校生カップルの、クリスマスのお話』


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突然だけど、私には彼女がいる。
私は、戸籍上も生物学的にも女性。
彼女も、もちろん女性。
お互いの両親や親しい友達にも内緒なんだけど、十数年来を共にしてきた私「美雨」とその幼馴染「千歳」は、紆余曲折を経てつい三ヶ月前、恋人という関係に至った。
通う高校が違っていても、時間の合う日は放課後でもウィンドウショッピングに出掛けるなんて当たり前だし、休日だってほとんど一緒に過ごしている。
キスだってもう何度交わしたかわからない。
そんな、傍からみたらどうしようも無いバカップルなんだけど・・・。

「もしもし、千歳。 今日ね、帰りに本屋寄っていかない?」
『あー、ごめん。 実は今日からアル・・・あぁ、いや、今日はちょっと都合が悪いんだ。いや、今日からしばらくって言っておいた方が良いか』
「え・・・?」
『余裕が出来たら、連絡するからさ』
「・・・うん、わかった。 千歳は何にでも一生懸命になりすぎちゃうんだから、あまり根詰めちゃダメだよ」
『りょーかい。 じゃあ、またな』
「うん。 また、ね・・・」
通話時間、たったの30秒。
そう・・・こんな感じで、なんだか最近、彼女とのコミュニケーションの時間がどんどん短くなっているのだ。


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