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冷たい風が、頬を撫でていく。
歴は2012年の12月下旬。
マヤ文明の予言も外れ、そんな終末論があったことすら人々の意識からゆっくりと消えようとしている、ある日の夕暮れ時。
私は、冷たい風が吹き抜ける公園のベンチに一人で座っていた。
近くの自動販売機で買ったホットミルクティーはすっかり冷めていて、私が長い時間ここに座っていることを物語っている。

千歳と電話での会話を交わしてから、早くも一ヶ月が過ぎていた。
通っている学校が違うから、あれ以降、ときどきメールでやり取りするくらいで、声は聞いていない。
そのメールですら、最近は返信がないことも増えていた。
千歳のお母さんに千歳の様子を聞いても、何だかはぐらかされちゃうし・・・。
病気とか事故とか、そういうのではないから安心してって言ってくれたけど・・・。
「こんなに長いあいだ千歳と話さないことって・・・なかったな・・・」
生まれてから中学卒業までずっと一緒にいて、高校に入ってからも毎日のように電話やメールで話をしていた。
恋人になってからは、二人の会話の為だけに携帯電話のキャリアまで変更した。
喧嘩をした時も、すぐに仲直りしていたはずなのに・・・。
もしかして、倦怠期って奴なのかな・・・。
私、千歳に飽きられちゃったのかな・・・?
私は、今でもこんなに好きなのに・・・。
「千歳・・・」
会いたいよ・・・。



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